幸福な晩年
みつべえ

「詩を読むのにも飽きて
 ピヨピヨ湖のほとりで
 釣りをしていた

 おれが愛したのは
 美しい風景ではなく
 それを記述した言葉の美しさだった」

と かいたところで
小学生の息子が
将棋盤をもってやってきた

毎週しめきりの日に 
詩をひとつデッチあげているのを
家族はみんな知っている

「もう おわった?」

「ああ いまちょうど」


自由詩 幸福な晩年 Copyright みつべえ 2004-11-15 05:48:09
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