モドゴホルド(mod'goholdo)
ピッピ

俺達のことを誰も知らない
俺達は誰よりも弱い
俺が蹴っているこれよりも弱い

生きているか死んでいるかはどうでもいい
他人なら尚のこと
俺達は過呼吸すぎる
もっとひっそりと静かに佇むべきだ
高速道路の上
コンビニエンスストアの扉横
寂しさに群がる夜光虫のように

誰かが見つけてくれたら、
どうする?
振り返れば経歴のない履歴書
志望動機は一つもありません
死亡動機は…
あれば既に死んでいるかも
新幹線よりも速いスピードで
つまり夜が明けるのと
同じスピードで

走っている
つまりは過呼吸なのだ
街角はチェレンコフ効果
によって青白く死滅している
楽しかった過去を繰り返したい
と呟きながら
俺達は既に楽な道を選んでいる
堆く積み重ねられた
廃棄処分予定の聖書のように

衝突直前のコンクリートよりも
プラットフォームに煌めく
新幹線のヘッドライトよりも
首筋に突きつけられた
よく切れるおもちゃよりも
俺達は弱い

達、と付けなければ
自分を定義できないほどに


自由詩 モドゴホルド(mod'goholdo) Copyright ピッピ 2011-07-18 23:25:16
notebook Home 戻る  過去 未来