まんなかにおわり
みい

真夜中にちっちゃいうたを湯舟でうたうと
ゆげでぜんぶなくなってしまうから
今日はうたわなかった
半分になってしまったペディキュアは
女であることを忘れさせてはくれないのに
どうしてもう半分を虚無感で埋めてしまうの


よるにみえたもの色収差
振り返ればいつもキッチン
かぞえうたの中へ闇
入り口で引き返す紺色の群れ
切り口を心配する包丁
すうじはいつもうしろでとどまるばかり
熱湯がみせたあざやかな黒
気付けばすべてかみさまの義理


あたしの作った料理がすこし寝ぼけてるみたいに
月が忘れてしまったら
すこしボタンをかけちがえたかのように
かみさまがまちがえてしまったら







自由詩 まんなかにおわり Copyright みい 2004-11-14 19:45:00
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