風の招待状
洞野いちる

白兎が跳ねたら
真っ赤な薔薇の花びらが一面を赤く染める
空っぽのバスケットの中に
ゆっくりとお菓子が満ち始める

さあ、バスケットを持って、行きましょう
あなたの居場所へ行きましょう

耳元を通りすぎる風が話しかけてきた
跳ねていた白兎が後ろ足て立ち上がる

風を追うように白兎が走り出す
お菓子が溢れ出しそうなバスケットを胸に抱き締め
わたしも走り出す


自由詩 風の招待状 Copyright 洞野いちる 2011-07-13 13:21:00
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