虹色が見えた日
番田 


朽ち果てた 自分の体を支えながら 私は歩いた!
巨大な野球場が 河原の向こうに 見えてきた!


きっと ここは 訪れたことのない街だ!!
時の全ては あまりにも 速すぎたのだ!
私は いつも その後を追い掛けてきた気がした!


ボールを投げ合う 少年たち
鬼コーチの罵声が響いていた
ああ まるで かつて 少年だった頃の自分に
彼は叫んでいたのかもしれなかった


それは あまりにも 遠すぎる記憶だった
そんなことはどうだっていい


私はドクターペッパーを開けて
多くの 疲れ切った顔の人たちの中で
半蔵門線のホームに立ちながら
今日も 誰かのことを ぼんやりと考えている


そして部屋に帰る途中の道で
いつかの渋谷の向こうに見えた 自分の姿を思い出していた



自由詩 虹色が見えた日 Copyright 番田  2011-07-13 02:23:51
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