絵の帆船に漂って
番田 


手に何も持っていなかった
何もないままに 私は 生きてきたのだ


そうして 歩いていた
遠い風景を目指して風の中を一人で歩いてきた


何のためだろう
わからないけれど 歩き続けた 


誰のためだろう
一体 流れの中で目にしたものは何だったのだろう 
機関車の黒煙を 私は見た


インドの 黄色い砂漠が 広がっていた
努力をすることほど虚しいことはない
それを 屍の積み上げられた風景が 教えてくれた
あいつはどこに行ったのだろう
有名大学から 一流企業に 就職して
この街からさよならも言わずに消えていった




自由詩 絵の帆船に漂って Copyright 番田  2011-07-11 01:13:33
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