悪戯
たもつ

  
 
眠っている祖母の頬に
桜の花びらが一枚落ちる

そんな季節ではないはずなのに
掌に握らせて
悪戯でしょ?と笑ってしまう

見送るつもりが
見送られているのは私たちですね

ほんの少しずつだけれど
背中を押してもらっているのは
私たちの方なのですね
 
 


自由詩 悪戯 Copyright たもつ 2011-07-09 06:06:16
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