とけいのは
ぐるまがた
くしーのこ
うぶ

せきでだ
らしなく
ころが
る、ゆうや
けのなか
どこまでも
すすむ
ゆうや
すすむ
なつやすみお
わるよ、
 ....
 
 
午後八時五十分発の
てんとう虫に乗る
潰さないように気を付けていると
言葉に疲れた兄が一人やってきて
優しい飲み水を差し入れしてくれた
ありがとうございました
そうお礼言う前に ....
  
 
海へと下りていく小道に
一匹のセミがいた
地面にしがみつくように
じっと静かにしていた
指で摘んでも動かない
すでに命は失われていた
次から間違えないよう
ひっくり返してお ....
 さて、お待たせしました。好評につき、W.K.の二回目になります。お待たせ?好評?と疑問に思ったお茶の間のあなた、そう、あなたですYO。その疑問はあながち間違いではない、と何となく思います、立証できな ....  
 
透明人間が
影ふみをしていた
人数はわからないけれど
楽しそうな声が
風と風の隙間から
聞こえてくる
影がないので
いつまでも終わらない
いつまでも終わらない遊び
終わら ....
  
  
母が滑り台で遊んでいる
すぐに、つまらない、と言い出して
妹のあきよさんと裏山の藪に入っていった
インターホンが鳴る
野口さんが玄関に立っている
タッパの中身は手作りの牛乳羮 ....
 
 
誰もいない夜明けの街を
少年が黙って自転車をこぐ
真面目に呼吸を続けながら

サルは今も進化と退化の中を
死にそうになりながら
生きているころだろう

エロい身体をした僕は ....
 
 
駅前に無料相談所があった
男の人に相談した
普通の感じがする人だった
無料だった
銀行強盗を終えたきみと待ち合わせて
涼しい喫茶店に入った
二人でチョコのパフェを頼んだ
周り ....
 
 
陸地では使われなくなった文字が
水槽に降り積もっている
僕はエスカレーターから
その様子を眺めている
前の人の袖が
風のようなものに揺れて
明日になれば
おそらく別の人の後ろ ....
 
 
海の生き物と話す
ヘモグロビンの傘を差して
今日は関節の痛い日です
海底を転がるまあるい心電図と
ぜんまい仕掛けで動き出す言葉
僕は夏至行きのバスで吸った息を
今、吐き出してる ....
 
  
道に紙が落ちていた
人の名前が書いてあった
知らない名前だった
畳んでポケットにしまった
家に帰って紙を広げた
十分経っても知らない名前だった
ひどく蒸して
退屈な夏だっ ....
ウォークマン、買いました。
という非常に唐突感の否めない書き出しで恐縮です。
何故買ったのか、ということにつきましての詳細は省略しますが、端的に言いますと、我が家のコンポはリビングに1台と娘の ....
 
キリンの背中に乗っている間に
世界は終わった
大好きだった人たちも
名前すら知らない人たちも
見慣れた建物も、古代の遺跡も
季節の匂いも
すべて跡形も無く消えてしまった
出来るだけ ....
 
 
誰かが僕の名前を呼ぶ
はあい、と返事をして
中に招き入れようとするけれど
この部屋にはドアも窓もない
外は秋が始まっている頃だろうか
何度か名前を呼んで
声は聞こえなくなり
 ....
 
 
魚屋に雪が降る
並んでいる電信柱たちは
パンのように沈黙する
台所の窓辺にサボテンを置いて
今日は何をして過ごそうか
外のアスファルトが
小さな音をたてる
きみの体温も静かに ....
 

交差点で男が信号待ちをしていた
信号が変わるまでの間
男はピアノを弾いていた
肩に蝶が止まった
その衝撃で
男もピアノもバラバラに壊れた
信号が青になると周りの人たちは
慌てて ....
 
 
窓を開ける
雲が見える
昨日のことのように
上り坂を下る人がいる
解熱剤でも飲んだのか
郵便局の職員が
自転車に乗っている
 
 
 
 
朝顔が咲いていた
夏の日だった
もらい物だろうか
テーブルの上に
クッキーの缶があった
食べても良いか妻に聞いた
食べても良いと妻は言った
何事もなかったように
パトカーが ....
 
 
それは、わたし
眠たい壁の一種
舌の裏で
縄跳びをする子供たち
名前の回数だけ跳んで
空想のまま
その間、冷蔵庫に向かって
嘘をつき続ける
アフリカ行きの
切符を手に入れ ....
 
 
植物群が眠っている
僕の知らない言葉の中で

息を吐き出すように
近所の商店街は
ゆっくりと潰れていった

帰りたい、と父が言う
他にどこに帰るの、と母が言う
帰りたい、 ....
 
 
何も無いところに
雨が降り始めている
父はもう誰とも
目を合わさなくなった

僕は今日、やっと
台所の隅でテレビになれた
独り言のように
延々と番組を流し続けた

す ....
 
 
今日、世界は晴れている
引用句を継ぎ足してつくられた飛行場から
貨物便が離陸した
生き物の涙や汚れたシーツ等を積載して

至るところに扉をノックする人がいて
人にノックされる扉 ....
青く、白く沈む、夜
そしてそれに属するものたち
 
今日は鶴を折った
 
どうして妻に、そんな
嘘をついてしまったのだろう
  
 
 
 
影を連れて出かける
ふとした拍子に
私と繋がっている唯一の
糸のようなものが切れて
影はどこかに飛んで行ってしまった
影の無い私は
午後三時くらいの腕時計を見る
 
 
 
 
四角を書いて塗りつぶす
四角を書いて塗りつぶす
ただその繰り返し
何がそんなに楽しいのだ
覗き込んで人が言う
あなたのしていることは全て楽しいのですか
そう聞き返すと
人 ....
 
 
背中が砂漠のように痒い
掻いた手を見ると
爪の間に砂が詰まっている
山高帽の男が笑いながら
建物の扉を閉める
短い一生の
一日がとても長い
 
 
 
 
手をあげる
流しのシーソーが停まる
どちらまで行かれますか?
上まで
反対側に運転手が座る
到着する
料金を支払って降りる
いくつかの用事を済ませる
再びシーソーを拾う
 ....
蝶々結びをして
眠たい人は眠って
それで構わない

犬の耳を噛っても
壊れたペットボトルでは
水、そのものを
飲むことはできないのだから

交番がボンヤリと光る、今夜
月 ....
  
 
眠っている祖母の頬に
桜の花びらが一枚落ちる

そんな季節ではないはずなのに
掌に握らせて
悪戯でしょ?と笑ってしまう

見送るつもりが
見送られているのは私たちですね
 ....
 

レストランがあった
メニューのないレストランだった
テーブルクロスがなかった
テーブルも椅子もなかった
シェフがおらず
給仕もいなかった
屋根はなく、壁はなく
建物すらなかった ....
たもつ(1691)
タイトル カテゴリ Point 日付
らしなく自由詩111/8/18 23:12
月夜にカーテンを買って自由詩511/8/17 21:39
夏の終わり自由詩911/8/16 20:06
W.K.第二回「フィッシュマンズ『空中キャンプ』〜赤ちゃんの ...散文(批評 ...5*11/8/15 17:59
終わらない夏自由詩511/8/14 18:24
笑う自由詩311/8/13 19:14
夜明けの深呼吸自由詩511/8/12 18:15
水槽の下で自由詩311/8/10 18:22
追いかけっこ自由詩711/8/7 19:20
夏至行きのバス自由詩211/8/6 18:37
紙の夏自由詩911/8/5 19:55
ウォークマン買いました 第一回「一発屋ビリー・ジョエル」散文(批評 ...8+*11/8/4 19:03
黙祷自由詩611/8/2 19:17
平日自由詩111/8/1 22:32
静かに熱自由詩211/7/31 11:28
信号待ち自由詩411/7/29 22:44
上り坂自由詩511/7/27 22:33
朝顔自由詩311/7/26 19:35
朝焼け自由詩211/7/25 21:45
帰ろうか自由詩911/7/23 17:22
テレビの時間自由詩611/7/19 21:43
news paper自由詩311/7/17 17:33
沈む、夜自由詩311/7/15 18:36
腕時計自由詩511/7/14 18:56
質問自由詩011/7/13 18:53
一日自由詩511/7/12 21:02
出張自由詩311/7/11 20:46
猫背自由詩311/7/10 20:47
悪戯自由詩211/7/9 6:06
レストランがあった自由詩611/7/8 0:22

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