導き
シホ.N


僕らの道を
導くのは遠い
羊の瞳
冷たく澄んだ
あおい水が
てんてんしたたる
僕らの道と
それから血管

僕らの道を
導く導火線
あかく燃え立つ
みずうみの重みも澄み
そして細く続く
続かなくちゃならない
僕らの血管

僕らはパンを食う
たえず食っていなくちゃ
気がすまない
僕らの道を導く
牧神の四肢
しろい毛並あおい血管
僕らはパンの耳さえ食って
食っては満腹に耐えかね
吐きもどさずにいられない

僕らの道を導く
羊の瞳
薄汚れたしろい毛
むしらずにはいられない
締まった肉に包まれた
血管をあらわにできるまで
てんてんしたたる
碧い瞳に
僕らの道が
導かれるまで


自由詩 導き Copyright シホ.N 2011-07-07 17:08:30
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