収穫日
電灯虫

合体の掛け声で
私の身長分高くなった君は
初めて見るとばかりに
星がキラキラする部分だけ
繰り返し繰り返し歌って
顔を夜空に向けてるのが判る。
真っ直ぐか地面を見る私に声をかけて
星掴みの挑戦を始めれば
肩車を利用して星に手を伸ばす。
パーで隠してグーで握る。
感触ないけどきっと手の中なんだ。
肩の上ではしゃぐ姿は確信で揺れる。
パーして空に返したよ
軽快なご報告が頭上から告げられる。
上を向く君を支える僕にとっては
肩から地球へ真っ直ぐ降りるその重みが
存在に感謝する何よりの収穫だから
今夜は任務終了だけど
このまま肩車を延長して
家路まで歩く。



自由詩 収穫日 Copyright 電灯虫 2011-07-04 22:43:07
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