モグラの花びら
合耕

手鏡を持つと みんな照らしてしまう
その柵の際から
聞き取りやすい匂いで 呼びかけた
蘇生術の手ほどき

邪魔くさい枠をどけて
もっと 回そうとした目が少しだけ
後は みんな吹き飛んだ流れになって
誰か一人去れば
屋上のない海岸

私は頭の上
掛けられた油絵から
降ってくる 絵の具の屑が怖くて
泣いていました
ビニールシートをかぶったその下で
ネズミは動かずに 指を組み
何かを持てるようになっても
こちらへ渡さない
だから取り上げて 握った手の中には
モグラ叩き用ハンマー

そこへ降ってくる


自由詩 モグラの花びら Copyright 合耕 2004-11-12 22:56:57
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