鍵穴
たもつ

 
 
右手の人差し指が
鍵になってしまった
どこの鍵だろう、と
合いそうな鍵穴を探すけれど
鍵の要らない穴しか見つからない
ふと鏡をみると
自分のおでこのあたりに
それらしき穴がある
ぴったりとはまる
鍵を回した時
自分は開くのだろうか
それとも閉まるのだろうか
そんなことを考えているうちに
左手の方には少しずつ
夏が近づいている
 
 


自由詩 鍵穴 Copyright たもつ 2011-06-18 21:51:46
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