初心
nick

空の手より零れ落ちた藍の寂寞、
浮ついた命の棲む雪の園の、
白磁を染め行く。

全ての音を吸込む黒髪、
一たびの謀叛に掻き毟り、
君の腕を拒む。

あけいろの影さす時、
冷めかけた誘惑が私を奪い、
春の夢を探しに行く。

二人の旅路は口無し、
枯れ枝の絡み合うような、
さりとて恥らい、咲いている。


自由詩 初心 Copyright nick 2011-06-04 04:03:01
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