白い暴走族「豪狼飛神龍」
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交差点の向こう側遥か車の渋滞が続いている
一体これはどうしたことだ?
聞こえるのは轟くバイクのエンジン音
白い突攻服を着た暴走族の大群だ

巻き込まれないようにハンドルを左に切った
友人がサイドウインドウ開けて口笛なんか吹くから思い切り睨まれたけど
知らん顔して(内心ビビりながら)走り去った

坂を登りきるとまたしても暴走族と出くわした
巻き込まれないように左に曲がったら
運悪く彼らが道路を占拠していた
手に持った旗を振り回して大騒ぎ
目が合った時には腹をくくったけど
驚くほど低姿勢で道を空けてくれた

しばらくして道路添いのコンビニに立ち寄ると
フードで顔を隠した人が近付いてきた
おもむろにポケットに手を突っ込んできて
粉のようなものを入れこう呟いた

「これは野菜の種だ
 実るようにちゃんと蒔いてくれ」

言われた通り蒔いてやった
コンクリートの道路には他の人も蒔いたような種が散乱していた


自由詩 白い暴走族「豪狼飛神龍」 Copyright 1486 106 2011-06-01 23:38:35
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世にも奇妙な夢物語