たすけて
馬野ミキ

落とし穴に落ちている人たちはいつも助けてという

手をさしだすと隠し持っていたナイフで傷つけられる

ロープを降ろして「これをつかんで上って来い」というと

落とし穴のなかでみつけた五円玉を離しはしないと片手しか使わないものだから

うまく上れない

「五円なんか捨ててしまえ」というと

お前は私をだますのだろう、とくる。

早くかれらを見捨ててしまいたい。


自由詩 たすけて Copyright 馬野ミキ 2004-11-11 03:17:58
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