言の葉 ヒラリ
subaru★

少年は淋しげな木に 小さな言の葉を飾り付けた
少女も 紳士も 婦人も 老人も 通りがかる人達も
小さな言の葉を飾り付けた

不揃いの言の葉が瞬く
誰もが足を停めて
それぞれの言の葉で暖めた

その言の葉から放たれる熱を
胸のアルバムに綴じる
色褪せないように

切なる願いの 一人一人の言の葉の潤い
淋しげな木に笑顔が戻る
枯れ果てないように

土色がかった大地から 緑為す大地への衣替え
砂漠が血相変えて逃げていく
脱獄犯のように

言の葉が風に乗って
霞がかる上空を駆け抜ける
行くべきところが分かったかのように

北アイルランドを越えて
38度線を越えて
天安門を越えて・・・

イザコザを越えて
日付変更線を越えて
時空を越えて・・・ 

足元に落ち葉がヒラリ
太陽にかざし 浮かび上がった魂を声に出してみる
言の葉が産声をあげた


自由詩 言の葉 ヒラリ Copyright subaru★ 2011-05-28 08:14:28
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