30年
あおば

もうすぐ帰るのだ
少し前は他人事であったが
今は自分ごとになっている
人の一生は短いものだね
30年経つともう次の世代になる
理屈では前から分かっていたが
いざ死んでみると実感する
「逝く者は斯くの如しか、昼夜を舎かず」
孔子さまのことばだが
精霊流しを見ていると
上手く表現したと感心する
さすが、詩経の編者だね
ゆらゆらとちらちらと流れてく
暗い波間を照らすのも一時
すぐに消えて闇の中
わたし達のところにやってくる
地球の終わりの時までは
中心核の深くに匿われ
太陽に飲み込まれ
次の命に引き継がれ
宇宙を旅するのだ
30年は長いですか?





初出投稿2000年8月2日<水>01時15分
掲載 「みゅう」 vol.136 2008年12月



自由詩 30年 Copyright あおば 2011-05-27 22:28:10
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