あつくなるなつのはんしんはんぎ
ホロウ・シカエルボク


こおりがとけてゆく
こおりがとけてゆくから
わたしははんしんはんぎの
ありかたをそこにながす
はんしんはんぎはうみまでながれるだろう
そしてなにか
おおきなものをみつけるだろう
そしてあめになって
もういちどわたしのもとにかえってくるだろう
わたしはそれをうけとめて
もういちどはんしんはんぎにする
かんぜんなものは
わたしはうけいれられないから
わたしのはだは
かんぜんなもののあつりょくにまけて
ぶつぶつとあれるだろう
もういちどはんしんはんぎにする
わたしのからだが
やみくもにうごくために
ちゅうしょくとゆうしょくのあいだに
そのさぎょうをすませてしまうのです
さいごのしょくじをするときにああよかったと
ほっとしてのみこめるように
はんしんはんぎはたいへんです
いじするばらんすがむずかしいのです
いじするばらんすがくずれてしまうと
わたしはどちらかのがわの
かんぜんなにんげんになってしまいます
それはこわいことです
わたしはそんなことはのぞんではいません
わたしはそんなことはのぞんではいません
わたしはじっくりとあいまいもこなもののなかを
しぬまでながれてゆくのです
いつかうみへもどるときのために
いつかそらへのぼるときのために
そうして
いつかまたここにおりてくるために



自由詩 あつくなるなつのはんしんはんぎ Copyright ホロウ・シカエルボク 2011-05-21 00:55:42
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