May
理来

こうして綴るべきものたちは
とめどなく巡りめぐって押し花となる
慌ただしい時の合間に見つけた
ひそやかな灯りを
四季からの贈り物としよう
望むならば
手が届くほど近くに
揺らいだ月をとどめておくことも許されるだろう
水たまりの翳りがこれほど丸いとは
まるいとは
疑いようもなく、これはまるい

さて歳月の刻み込まれた盃で
宇宙の大洋を呑み干そう
唄われたそうに
そこいらをちらちらと行き交っている
夜風のため息を肴にしてな
それにしても昨日の遠ざかっていく
なんという移り変わりの早さだろう
雪のひとひらが、四月
いつの間にか舞い桜に化身していたように
そうか、もう五月か
五月の誕生歌が降りてきたのか


自由詩 May Copyright 理来 2011-05-05 22:46:56
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