気持ち見習いたち。
電灯虫

どうしたって零れ落ちる。
そこに選別の意思すら介在しないから ぶつけどころすら判らない。


零れ落ちた 気持ち見習いたちは 路上のコンクリに滲みこむこともできなくて。
愛想もない街の固さに拒絶感が半端じゃない。
それでも どこかに届くのを止められない。
けれども 自販機近くで囁いても おつりの現実感に圧倒される。
道行く人の意識には もう目的が居座ってて 受信の電波は独占状態。
振り向いて欲しくて 気づいて欲しい。
素敵な口角の角度 お手本のようでも 立体が決定的に欠けてて
軽薄にメロディかき鳴らす 毎朝の清掃車
気持ちを中途半端になした体が邪魔して
気を使った清掃員が ネットを被せてソッと去る。


街中での風葬なんて 望んだ終わりじゃない。
どこかに繋がれるんだ 囁き空回りで火花が散る。


自由詩 気持ち見習いたち。 Copyright 電灯虫 2011-05-01 00:42:29
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