気持ち見習いたち。
電灯虫
どうしたって零れ落ちる。
そこに選別の意思すら介在しないから ぶつけどころすら判らない。
零れ落ちた 気持ち見習いたちは 路上のコンクリに滲みこむこともできなくて。
愛想もない街の固さに拒絶感が半端じゃない。
それでも どこかに届くのを止められない。
けれども 自販機近くで囁いても おつりの現実感に圧倒される。
道行く人の意識には もう目的が居座ってて 受信の電波は独占状態。
振り向いて欲しくて 気づいて欲しい。
素敵な口角の角度 お手本のようでも 立体が決定的に欠けてて
軽薄にメロディかき鳴らす 毎朝の清掃車
気持ちを中途半端になした体が邪魔して
気を使った清掃員が ネットを被せてソッと去る。
街中での風葬なんて 望んだ終わりじゃない。
どこかに繋がれるんだ 囁き空回りで火花が散る。