金魚
草野春心



  きみの
  左の胸に
  腕を差しこみ
  ゆっくり引きだすと
  手のひらで
  金魚がぴちゃぴちゃ跳ねていた



  鉢も
  水もないので
  戻そうとしたけれど
  きみの左の胸は
  閉ざされ
  金魚はまもなく死んでしまった



自由詩 金魚 Copyright 草野春心 2011-04-18 10:04:55
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短詩集