虚ろな数 / ****'04
小野 一縷


眩暈 渦巻く 
撹拌される大気 跳ね返る陽射 大地の熱気
沸騰する 頭痛
体温の上昇 雲までは遠い 空を睨む

地図上の 南風 吐息 突き吹いて 
一項目 捲られる 
山脈を覆う オウロラの扉 開け放つと 
オゾンの 穴から 溢れ出す 光の津波 
 
国 街 ビル 住宅 雑踏 
足音 話し声 ベル サイレン
髪 皺 歯 そして 涙 

あまねく蒸発する

骨の粉さえ残らない 原子破壊
限りなく純潔な 放射能による 最微分

零の求心力 
0から1へ 1から0へ 向かって
24時と 0時の 隙間
時の波上 帆走する π 針音だけは 
永遠に 絶えることが無い





自由詩 虚ろな数 / ****'04 Copyright 小野 一縷 2011-04-10 23:49:09
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