津波
北村 守通

結局
私にとって重すぎたものを
引き取ってはくれなかった
調整された視覚の後ろから
脳内に浸透してくる
調整された台詞の数々を
より吸収しようと
頭を揺らし
脳内をかくはんしながら
ありがたい
説法を聞いた後に
誰もがそうするように
さも自分が伝道者であるかの様に
説教をぶちまける
そんな
私にとって重すぎたものを
決して引き取ってはくれなかった


  せめて


私を引き取ってくれるのでも
よかったのだが
それすら拒否し
見せ付けるかのように
あさっての方角で
回収作業を実施していた



これみよがしに
これみよがしに


自由詩 津波 Copyright 北村 守通 2011-04-10 11:19:26
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