おとこはよるに
かいぶつ

おとこはよるに
ねむれぬよるに
ひとつ便器を
みがくのです


まあるいおんなを抱くように
できそこないの陶器を愛でるように
裸電球のよる
おとこは奉仕するのです


そうして
玉の肌のように光らせた便器を
至極ご満悦の体で拝観すれば
思い煩う詰まらぬことも
下水の底へ流れていって


俄かにおとこはもよおして
粗末なものをつまみだす
ためらいの放物線は芯を外して
おとこはひとつ
舌打ちをならす




自由詩 おとこはよるに Copyright かいぶつ 2011-04-10 02:45:39
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