悲しみのかたち
吉岡ペペロ
いつものように夜を歩いている
星の瞬きをながめながら高台からくだってゆく
車や帰り道のひとと二三すれちがう
街のあかりは傾いている
最初の信号に出くわすと
すっかり道を歩いている
悲しみのかたちを持て余している
からだが歩調にあわせて鳴っている
音はきこえない
悲しみのかたちだけ感じている
ふとい息をひらべったく吐いてみる
目からエアティアーズがこぼれる
悲しみのかたちがゴトゴトと揺れている
今日はいいことが
たくさんあったような気がした
自由詩
悲しみのかたち
Copyright
吉岡ペペロ
2011-03-31 22:25:00