中山 マキ





恋人の片隅で私は
命を紡いでいたのだろうか
知らぬ間に
さみしいとはまた違う所に
引っ越してきてしまった

「マイルドセブン、1カート下さい」
ツタヤへ行って旧作を1週間
白いクリームが入ったドーナツを三つ
いつもの街頭
いくつもの背中
 
笑いながら、捨てられる
それは後にも先にもどうでもいいものばかり
そうじゃない 
言い訳をいくつも拾い集めて
泣き顔さえ
眺めているだけ

きっと 小船に乗らずとも
私は流れていける
踏ん張っても
踏ん張っても
じわじわと歩み寄る何かが
断りもなく
私の背中を押してくれるから

それなのに大げさな結論にはどうして
すぐ辿り着けないのだろうか
スカイツリーより
もっと分かりやすい
温かい場所へ帰るためだけの
ありのままの答えに






自由詩Copyright 中山 マキ 2011-03-27 18:46:20
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