たおやかな時間
森の猫

皆 求めていた
この時間

たおやかな時間
ほっとする空間

言の葉を発することを


開店したばかりの
明るいガラス張りの
こじんまりとした
ポエトリーカフェに着く

もうすぐ
はじめての
アフタヌーン朗読会が
始まるのに
なんだか
ぽわんとした空気が流れている
店主の雰囲気

木目の店内は目にやさしい

ひとり ふたりと
詩人たちが集まってきた

皆 詩を愛し
朗読を愛する
仲間たちだ

好きなドリンクを注文する
めずらしい マンゴーのスパークリングがある
マイルドなカフェオレ
しっとりとした手作りケーキ


ジャストタイム

朗読会は静かにはじまった

明るい春の日差しが
店内に差し込んでいる

一般のお客さんも
詩人たちの朗読に
耳を傾ける

各々の世界観を
気負いなく
言葉として
放っている

伸び伸びと
楽しんで

なごやかな笑い

ゆったりとして
有意義な時が流れる

日も暮れかける頃
司会の友人が
最後の詩を読む

震災復興への
意思があふれる


どのようなときでも
人は人として
生きることを望んでいる

書くものは
かくものとして

このような場所が
不可欠だ

力になる
生きる力に

言葉は


自由詩 たおやかな時間 Copyright 森の猫 2011-03-26 02:29:47
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