貴重な瞬間
美琴

忘れていることが
いくつもある。
それは
大切なもので
あると同時に
さりげなさすぎて
人々は
あまりにも簡単に
その前を通り過ぎていく。
もしかすると
なくなったとしても
しばらくは気づくこと
すら出来ないかもしれない。
それは植物の生命力
であったり
小さな虫の命
だったり。
何ひとつ
明日も同じという
保障はない。
誰もが同じ
一瞬を生きている。
その一瞬を
奪いあっているのではなく
その一瞬を
分かちあって。
この一瞬も過ぎていく。
ある一瞬で
あると同時に
2度とはない
貴重な瞬間として。


自由詩 貴重な瞬間 Copyright 美琴 2011-03-22 17:51:20
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