最大公約数
花形新次

僕の息子は自閉症だ
養護学校への送り迎えは
妻がしている
朝夕、電車とバスを乗り継ぎ片道1時間かけて

学校の先生は
常日頃言っていた
息子さんなら自立下校も大丈夫
その言葉は、僕らにとって
とても喜ばしいものだったけれど

もし自立下校をしている最中だったらと思うと・・・

下校時刻の3時前で
自立下校をしているほかの
子供たちも大丈夫だったけれど

そんなふうに
最大公約数では
処理しきれない事柄が
非常時には起こりえる

そんなふうに
いつになく
真面目に考えたりして


自由詩 最大公約数 Copyright 花形新次 2011-03-22 17:41:42
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