猛禽
蒼木りん

子猫の小ささが懐かしかった

この小さなものの愛が懐かしくて
言葉のない温もりが欲しくて
お金を出してでも手に入れたい

人間の愛なんて

なんだか疲れる


他人が密かに語る
私の不甲斐無さは
その他人のくだらなさほどに気づかず
認めても上書きしたい問題だ

誰も寛容でない
醜ささえ肯定する
それは開き直りって言うんですよ
腐った女はやはり醜いんです

能のない鷹

爪を立てる言葉は
あなたが弱いことを教えてるようなものです
あなた方のそれが人間なら
私は既に人間ではないようです


猛禽類は
鳥になった猫です

私はそんな気がしてなりません

翼を持った私は
どこに居るのでしょう

翼を持たない私と猫
どうしようもない性を共にしたい


見えないのに
重たい

見えないのに
寒い

見えないのに
哀しい


何故

私はここに落ちてきたんだろう



未詩・独白 猛禽 Copyright 蒼木りん 2004-11-05 00:56:25
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