僕らの日常(=非日常)
虹村 凌

サンロードの安い中華飯屋で「かけラーメン」と言う素ラーメンを見た
(奥田民生の「ラーメン食べたい」を思い出した)
斬新だけど別に食べたいと思わない
そんな事より寿司を食べたい
回っててもいいしスーパーで半額処分のでもいい
寿司を食べたい
生魚食べたい
あのお店で食べた唇で切れるくらい柔らかいトロを

そんな事を考えている間に言えなくなってしまった
(=不謹慎だと言う人の相手をするのが面倒になってしまった)

ブラウン管とかモニターとかスクリーンとかの向うで
数時間後だか明日だかわかんない「ぼくらの運命」が
マイクロシーベルトを名乗っている
そんなもんで俺達の運命見てたってどうにもなりゃしねぇよ
俺達の未来はそれがあろうがなかろうが
綺麗か醜悪かなんてわかりゃしねぇんだ
良い方向に好き勝手生きりゃいいのに
(俺みたいな愚図が好き勝手やれって言うとクソみたいな連想を喚起するらしい)
オイルショックみてぇにトイレットペーパー買う馬鹿ばっかりで
1000円札でケツ拭こうかと思ったくらいだ
(切れ痔になるからやんねぇけどな)
なんて冗談も目ン玉ひん剥いて怒る奴がいるんだろうな
くだらねぇ

日常になってしまった非日常をチャラチャラとやり過ごす
犯罪者や芸術家や天才を自分と切って離してみるように生きればいいのに
一瞬の同一感に陶酔しながら目に涙を浮かべて手を合わせる馬鹿馬鹿しさ
日常になった非日常がもたらす「ハイ」はいつまで続くのか
僕たちは元々がクソッたれたジャンキーで
平和を求めたフリをしながら何時だって残虐非道な事件を待っている
悲しそうに(=嬉しそうに)喋りながらお互いの安全性を確認する
気違いだからやったんだとか何だとか
兎に角自分が当てはまらない理由を必死になって探しながら
自分は違うんだと証明したくて仕方が無い
そんな事は誰だってわかっている

そう思ってたけど別にそうじゃないらしい事に気付いたのは最近の話です


自由詩 僕らの日常(=非日常) Copyright 虹村 凌 2011-03-18 22:25:40
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