君のいない国
百瀬朝子

星であふれる空
肉眼でみつめすぎた
つぶれた心は
唾液で癒して
ぬるくてあたたかい
それは探していた光

  手を伸ばせば届いた
  いまは幻にさえ触れられない
  漂う粒子は
  たくさんの光をさらった

もう一度触れたい
ここにあるものが
見えなくなる

ほったらかしのニンジンから
短い茎が生えてきた
にょきにょきしてる
食べてもいーい?

苦いよ、苦い
不安で抑えられない欲を
贅沢だと咎める

お話がしたい
主に過去のこと
そうして
明日を迎えたい


自由詩 君のいない国 Copyright 百瀬朝子 2011-03-15 20:54:23
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