余震
小川 葉



ていでんのよる
きみとみていた

あのよぞらを
わすれない

ほしでみたされていく
あのよぞらを

いきのびて
みていたよるを





せいぎのみかたは
なにをしてるのだろう

いのることしかできない
りゆうでもあるのか

わたしもまた
せいぎのみかただとして

しぜんにひれふして
なぜたすけないのだろう





でんきもない
ガスもない
みずもでない

たべるものも
なにもない

あのうみには
それさえも
なにもない





なにを
にくむべきだろう

なぜにくまなければ
ならないのだろう

くるしかったか
それとも

にくまずに
くいをのこして





ひとは
ちきゅうを

ちきゅうは
ひとを

たすけることが
できない

ああ
なぜなのだろう





ひとには
こころがある

ちきゅうにも
あるはずだ

あるとして
これはなんなのだろう

いかりにふるえ
あふれるなみだでのみこんだ

このほんのうの
しくみは





じしんがくるまえに
こどものクジラを50とう
うみはいけにえにさしだした

さいごのけいこくのように
いかりにみちた
かんじょうをこめて

げんぱつが
こわれはじめている
あれがきにいらなかったのか
うみは

コンビナートがもえている
ひとはきょうふにおののく
ライフラインが
あやぶまれていく

ひとはうみのありようを
いとせずに
はかいしていたのか

うみがひとに
そうしたように

こんやも
よしんはつづく



自由詩 余震 Copyright 小川 葉 2011-03-13 21:02:39
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