余震
小川 葉
ていでんのよる
きみとみていた
あのよぞらを
わすれない
ほしでみたされていく
あのよぞらを
いきのびて
みていたよるを
+
せいぎのみかたは
なにをしてるのだろう
いのることしかできない
りゆうでもあるのか
わたしもまた
せいぎのみかただとして
しぜんにひれふして
なぜたすけないのだろう
+
でんきもない
ガスもない
みずもでない
たべるものも
なにもない
あのうみには
それさえも
なにもない
+
なにを
にくむべきだろう
なぜにくまなければ
ならないのだろう
くるしかったか
それとも
にくまずに
くいをのこして
+
ひとは
ちきゅうを
ちきゅうは
ひとを
たすけることが
できない
ああ
なぜなのだろう
+
ひとには
こころがある
ちきゅうにも
あるはずだ
あるとして
これはなんなのだろう
いかりにふるえ
あふれるなみだでのみこんだ
このほんのうの
しくみは
+
じしんがくるまえに
こどものクジラを50とう
うみはいけにえにさしだした
さいごのけいこくのように
いかりにみちた
かんじょうをこめて
げんぱつが
こわれはじめている
あれがきにいらなかったのか
うみは
コンビナートがもえている
ひとはきょうふにおののく
ライフラインが
あやぶまれていく
ひとはうみのありようを
いとせずに
はかいしていたのか
うみがひとに
そうしたように
こんやも
よしんはつづく