合作「冬虫夏草」
楽恵



アカハチ



踏みつけられながら
虫たちの仮装行列がゆく
感傷はいらない
氷原の宿主にとっては
すべて終わったことだった
楽恵



植えつけられた意思と
薄れていく意志との境界で
季節の桟橋は揺れ
暮れなずむ魂の振れ
山崎尊



地殻を移動する母岩の振動が
ある時は胡蝶の乱れ
またある時は善悪の彼岸
動的平衡の先で巡り合うならば
ここには何も残しはしない
xiao



答えのない秩序の土砂降り
それをひとつにまとめ
もう一度別の固体として
再生した
距離が歳月を衛星状に廻った
真島正人



目覚めた朝
それは晴れやかなしろだった
感染を恐れていた心細さは何処に
定型は点滅しながら
似通った装いを塗り替えてゆく
高梁サトル




自由詩 合作「冬虫夏草」 Copyright 楽恵 2011-03-07 01:15:54
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