愚痴
プテラノドン
三年ぶりに異動が決まって
どんな気分かだなんて
芸術家には分かるまい。
土手から西日がもれて
絵画のような光景が広がる。
でもそこに立ちはしない
車を走らせるだけ。
整備工の友人は
仕事を終えると手袋をはずし
ハイタッチを求めた。
僕は封筒から万札を数枚抜き取り
店に入って行く。
誰とも喋らないぞといった風に
オネーチャンにも、店長にも
用はないという感じか。
でも話すことはいくらだってある。
金の続く限り、扉が閉まるまで
言うべきか言わざるべきか
三年も待ったとはいえ
やっぱり言うべきか
待合所は人でごった返していた。
終電はなくなった。
話し相手は
聞いちゃいなかった。