飲めん酒
花形新次

僕がまだ若い頃
居酒屋に行って
この酒を飲むたび
いつも最後には吐いた
全部吐けば楽になる
我慢してはいけないと
口に突っ込まれた白い指は
いつもやわらかだった

外で吐けとか
トイレで吐くなとか
店の親父はとやかく言うけど
そういうことって
確かにそうだよと
昔居酒屋でバイトしていたから
処理が大変なのを見てて
そう思う

それでも毎日飲めん酒
浴びるほど飲んで
東神奈川の駅で
徹夜する青春








自由詩 飲めん酒 Copyright 花形新次 2011-02-27 06:55:26
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