駱駝色の黄昏
いとう




少し煩かったので首に巻いた鎖を強めに引っ張るとあっけなく死んでしまい仕方なくオブジェにでもと思い立ち鎖を梁に掛けてそのままテコの原理でククッといや本当はズズっという音がして小便やら大便やら臭うがすぐにこうもりねずみがやってきて食べてしまうので清潔は保たれるので。

少年は勃起したまま死んでいる。オブジェとしての価値と命は死後硬直の形によって吹き込まれる。少年は勃起したまま死んでいる。乾燥してから服を剥ぐと性経験のない少年は勃起したまま死んでいる。怒張してなだらかなウェイブを保ちそそり勃ち体躯に似つかわしくないそれはまるで寄生茸のように少年の意志に反して。少年は勃起したまま死んでいる。少年は勃起したまま死んでいる。少年は勃起したまま死んでいるオブジェとして死んでいる少年のオブジェとして死んで勃起したまま少年のオブジェとして勃起している少年のオブジェは乾燥している。

少年の性器が熱を持ち膨脹している。満ち足りた内部は変質を始め変質によって変節を主張する少年の性器、熱を奪う掌によってしごかれ熱を持ち黄白く粘った液が漏れ始め亀頭の先を濡らすその汁を啜り飼っている子駱駝に口移しで飲ませると嗚咽しながら涎を垂らす。すぐにこうもりねずみがやってきて、涎は、すぐにこうもりねずみがやってきて、涎は、(清潔は保たれるので)




自由詩 駱駝色の黄昏 Copyright いとう 2003-10-14 13:06:33
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