だんだんうすっぺらくなる
はるな


たくさんのひとの中にいて話していると
からだがだんだんうすっぺらくなる
笑ったり怒ったりしている人たちのなかで
からだがだんだんうすっぺらくなる
頭のなかに大きな丸をえがいて
からだがだんだんうすっぺらくなる
ささやかな体温を持てあまして
からだがだんだんうすっぺらくなる
魚がくさったようなにおいがしてきて
からだがだんだんうすっぺらくなる

だんだんうすっぺらくなったからだが
次第に力をうしなって
だんだんうすっぺらくなったからだの
真ん中がしぼみはじめる
だんだんうすっぺらくなったからだは
わたしのことを忘れて
だんだんうすっぺらくなった世界の
裏側にすうっと入り込む



自由詩 だんだんうすっぺらくなる Copyright はるな 2011-02-20 17:23:19
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