断片レター
かんな

どこまでも黒い、
夜空を見上げる理由を知っている
星が瞬く、その時を想像して
たおやかな時の巡りを
歴史のつよい鼓動を感じる
その真下で、
君に告げたい



生きていく上で必要なこと
君があげつらねていたほど、多くはないんだ。
その意味をかみしめているだけで
しあわせという味は感じるかもしれない。

断片的なおもいは、
やさしさに少し形が似てくるからと言うと
君は不満そうにして
やさしさには形がないことを主張したよね。

思うんだ。
生れ落ちて、この地で。
不必要なものほど、必死で抱きしめていなきゃいけない。
それが生きるってことだと、
君にいつか言い返そうと思っていたよ。



どこまでも白い、
雪の丘を駆け上がる理由を知っている
命が一呼吸するその間
しとやかに芽吹く幼い春は
ほんとうに昔の小さな恋に似ている




自由詩 断片レター Copyright かんな 2011-02-19 17:25:11
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