トラ
itukamitaniji

トラ

同窓会の賑やかな声を 握ったケータイ越しに
聞きながら 一人辿るいつもの家路
元気か?仕事はどう? 代わる代わる尋ねる仲間の声
一声聞いただけで 今でもすぐに誰だか解る

僕の方は元気さ 仕事は辞めたいけどな
懐かしい笑い声に 少しだけ時間が止まった


色々あったけど 素敵な思い出になったのかな
時間は過ぎていって 今の自分をここまで運んだ
変わらないなって 古い仲間にはよく言われる
僕自身それが取り得なんだって 思い込むことにした

家族を築く者や ひたすら働く者もいる
誰もが大切なものに 出会えるかな

こんな僕にだってさ 「いつかきっと」って
性懲りも無く 願い続けてることが密かにあって
まだおんなじように 笑ってくれるかい?
相変わらず あの頃のままな僕のことを


こんな僕にだって こんな僕にだってさ
「いつかきっと、きっと」って 願うことがあるよ

いつか会えると良いね 最後の仲間の声
「いつか」がいつの日か 来ることを思って電話を切るよ
心の奥にそっと 願いを詰め込んで
誰もが同じ空の下 今日も駆け回っている
君と同じ空の下 ずっと駆け回ってみるよ


自由詩 トラ Copyright itukamitaniji 2011-02-16 20:40:12
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