福寿草が咲いていた頃に
ズー

車に乗って
通勤をしていて
最近は下半身を
意識する事が
少なくなってきた
歩くとか走るとか
多く、なかったのに
下半身が家出しました

お風呂に入っていて
何かの昆虫のような足を
あまり、きれいに
洗わなかったから
下半身の方でも
諦めてしまったみたいで
パンツだけは履いて
もう、一月も前の事です
こんな季節に
どうしているのか

おへその辺りで
切れていて
切断面を確認出来ない
苛立ちのせいなのか
恐怖心のせいなのか
調度、咲き始めていた
福寿草を眺めては
この花をくれた
あなたを思い出しました
何時間も眺めるには
今のわたしは
本当に都合が良い
位置です

それでも、仕事を
しなくては生活が
できませんから
仕事仲間に車で
迎えに来てもらいます
しっかりと
助手席に乗せられて
会社に着くまでの
少しの間
赤信号で
止まった数を
数えては
どこかにわたしの
下半身がいないかと
流れる景色を
眺めていた

福寿草が咲いていて
咲いていた頃に


自由詩 福寿草が咲いていた頃に Copyright ズー 2011-02-09 22:45:04
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