リバー2
番田 



光など差していない 過去の白い日に
また 君が そこで何かを眺めている
この 遠い 世界の中で
この 顔に 風を当てた
人としてひとり
何となく 景色に立っている
立ちつくす 一人の
ぼやけた体が そこにある


その 遠い 空っぽの 朝の中で
輝く 果てしない この 電車の流れていく
その朝の中で 一体 君は
そこで 一体 何を 祈ればいいのだろう


何もわからない果ての世界を
君が いつも そこで 見ている時
ああ 街が流れる
そして ひとり いつも
また 誰かが 幸せだと思える



君は そして 
生きていく そこで 何かを訴えている


生きていく そこで 何かを訴えかけるのだろう
ひとつも 何も 手に持たないまま
微かな思いを頼りに どこかへと歩いていく


夢の中に 君は向かうのだろう
そこは世界のどこだろう
何も 私にはわからないのだ


そこで 一つも知ろうとは 思わない
目に見えるもののその方向に
私は ひとり 向かうだけ


風は吹くだろう
人は歩くだろう


街の中に見えないものを
目に追うのかもしれない


見ている 世界を
そこで 見つめているまま


つのる願望に身を任せ
季節の巡る様子を感じている


色々な展開を
きっと 君は 見ている


ひとりでいつも考えている
色々な色彩をしたその窓で


水色や黄色や
レモン色を見るのかも知れない


それは 確かなのだろう
確かではないとしたら一体感覚とは何だろう



私は そこで
ぼんやりと 切れ目を見た
月や涙が
人の目の中に はっきりと見えた
それは きっと
そうではないものなのだとしたら
君のシルエットなのかもしれない だけど
私は 希望を 思った
ああ そこで 実に はっきりと
何かが流れる
きっと映像のイメージのように
頭の中を着実に流れる


子供の頃のいつもの
私のありふれたできごとのように
そこで 私は微笑んでいる
私の中に それは きっと 見えた
見えてはいない
それは 私の夢の一つなのだろうか


そこで 間違いなく
何となく ひとり 私は
そこで 信じているのだろう きっと 確かだ
私は それに もう
今も すでに 心に 決めている


ああ 一体 夢とは なんだろう
問いかける そして
もう 何一つ
私の目に それは わからなくなっている
その すべては 不確かで
私には もう 何も 手にすることはできないのだが




自由詩 リバー2 Copyright 番田  2011-01-28 01:24:13
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