新雪
朧月

真っ白な道
どんな足跡も消した
今日と明日の間の道もまた
消されてゆくだろう

生と死の間にはなにがある
失われてゆくだけの時間に
足されてゆく記憶

身は常に 縮まることしかせず
永遠を願っても
枯れ果てるその時まで失い
夢だけが膨らむ 飛びたい

人に生まれた理由を欲し
傷つけることだけうまくなり
変わりに得た
言葉の操作は
手繰り寄せるたび 胸を突いてくる

真っ白に憧れるなら
行いを正せと
優しい母は言うでしょう
厳しい母も言うでしょう



自由詩 新雪 Copyright 朧月 2011-01-26 23:33:54
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