逆走
森の猫

11才のあたしが
いちばん 大人だった

小学校高学年から
ずっと図書委員
本の虫

自習の国語の教材
全文書き取りが大好き

指が痛くなるほど
書いた 書いた
書き写した

高校の時
あたしの書くものは硬くて
説明的なものだった

授業で発言すると
お経を読んでいるようだと
けなされた

いわゆる
先生に好かれる
優等生タイプの女子
近寄りがたいと
言われ続けた

・・・・・

数十年後
今のあたし

会社員を経験し
結婚して
子育てを終え

その間も
自分さがしの旅を
止めなかった

欝になり
詩に出会い

あたしは本当の
あたしになった

優等生はどこにもいない

書くものには
文学のかけらもない

逆走し続け
意外なほど

幼いあたし

でも
このまま進む

逆走の果てまで
まだまだ
続く

書くという
探求をしながら


自由詩 逆走 Copyright 森の猫 2011-01-25 01:17:15
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