ぬらりくらり
nonya


低いほうへ
もっと低いほうへ

流れていこうとする本音を
どうしたものかと
眺めるばかりの今日この頃

後ろ向きは
好きじゃありません

斜め上45度に向けた建前を
たまに誤射しつつ
気づかれないように標高を下げる

そんな小狡さ
嫌いじゃないかも

またそんな目で僕を見るんだね
いくら君が爪先立って
僕を軽蔑しようとも
僕に同情しようとも
僕達は相変わらず同じ標高にいるんだよ
もうそろそろ気がつこうね

低いほうへ
もっと低いほうへ

一緒に PM3:42 の尾根を
ぬらりくらりと流れ落ちていこうよ
僕達のちんけな標高なんて
どこかの情報屋に測らせておいて
谷の奥のどんづまりの土地で
いい塩梅の窪地を探そうよ

もはや僕達は見分けがつかないくらい
ほどよく濁った水溜りだよ
モノクロームな空と雲を
呆けたように水面に映しながら
ぬらりくらりと黙り合おうよ

友達だなんて思ってくれなくていい
互いに薄々分かっているだけでいい
もし間違って目が合っちゃったら
唇の端っこでぬらりくらりと
微笑んでくれるだけでいい




自由詩 ぬらりくらり Copyright nonya 2011-01-18 20:57:50
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