ふたつ
小川 葉



あんまりあなたを
おばさんと言うものだから
傷つけてしまったのかと思って

あんまりあなたが
おじさんと言うものだから
嫌われたのかと思って

あんまりわたしたちが
わたしたちだなんて
一緒に言ってしまったら
同じではわるいような気がして

しずかにひとりの
時を過ごしている
言葉をかわしたはずの
ここからそこへ
そこからここへ
届けたり送ったりして

たしかにいた
あなたもわたしも
誰にも嫌われたくなくて
泣いている
命といえば命でしかない
ふたつの男と女が



自由詩 ふたつ Copyright 小川 葉 2011-01-18 01:40:17
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