ニッポンの空
吉岡ペペロ
伊達直人がホテルをでて朝の商店街を歩いていた
四方に広がるせまい空
雲ひとつない水色をながしていた
まだ冷たい商店街
異国の山麓に広がるバザールのようだ
路地には猫がにらんでいた
ところ狭しを区切る塀
灰いろというより水色だった
鼻水だけが肉にまとわりついたニッポンだった
電線の多い竹ひごで組み上げられたような町
伊達直人がホテルをでて朝の商店街を歩いていた
自由詩
ニッポンの空
Copyright
吉岡ペペロ
2011-01-15 06:42:20