くじら
itukamitaniji

くじら

もうじき夜が終わるよ 君の瞳にはまだ
昨日の星空が 張り付いたままだけど
ここで 剥がれ落ちる世界の悲鳴を聞き終えたら
行かなくちゃ 空の隙間から注ぐ光の指す場所へ

君の心がまだ 変わらず残っている証拠さ
消えかけた悲しみでさえ 鏡みたいに綺麗に映して
忘れれずにいるのは 君が誰よりも優しいからさ
ため息はばれないように あぶくにして消した

物語はもう 終わってしまったと思ってたんだ
でもまだまだ そこから続きがあったんだよ
おはよう これが次の舞台さ
台詞も用意されていない はじまりの場面さ


群れに沿って 寄り添うように泳いだり
たまには離れて 一人ぼっち泳いでみたり
でも君は世界に 拒まれも受け入れられもしないまま
消えてく記憶より 少しだけ早く泳いできただけ

世界の果てまで 辿り着いたと思ってたんだ
でもまだまだ その向こう側があったんだよ
おはよう これが次の世界さ
悲しみにも喜びにも まだ染まっていない風景さ

だから泣くことも 笑うことも
しなくていいんだよ これから決めれば
だから泣くことも 笑うことも
しなくていいんだよ これから決めれば


自由詩 くじら Copyright itukamitaniji 2011-01-05 06:42:02
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