うさぎ
itukamitaniji

うさぎ

寂しくても寂しくても 死ねない君はまた
携帯を握り締めたまま 夜と朝の狭間で目覚めた
何かを待ってたことに 気付いたけど
新しい今日に辿り着いて 忙しく時計が回り出した

赤眼の君は見上げる まだ沈まない朝の月を
そして深く息を吐いて 仕方ないさって呟くのさ


忘れたくても忘れたくても 消化出来ない記憶
何度も吐き出しては また飲み込んでを繰り返す
それで良いんだよって 人混みの中から声がした
だってそれが 君を君だと創っているものなんでしょ?

いつか帰るはずだった場所は 遥か後ろの方
振り返っても ぴょんと跳ねても届かないところさ



完全武装の人混みの中で ほとんど無防備状態で
君はこの世界に 挑もうとしてるんでしょ?

いつか帰るはずだった場所は 遥か後ろの方
君が歩いた分だけ 遠ざかってしまったけど
赤眼の君はちゃんと 見上げたじゃないか
まだ沈まぬ朝の月を 仕方ないさって呟いても

まだ見ぬストーリーを まだ知らぬ歌を
迎えに行くつもりでしょ? さぁ行こうぜ


自由詩 うさぎ Copyright itukamitaniji 2010-12-27 21:55:39
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