初春のひと
恋月 ぴの

近頃どうよって悪友に尋ねられ
思わず恥骨の膨らみなんか押さえてしまう

去年は処女同然だったしね
あれって使わないと塞がっちゃうのかな

そんなことないのだろうけど
こころの窓ってやつは日ごと塞がりつつあるようで

恋のときめきなんて忘れちまったし
大晦日だって紅白の途中で寝入ってしまった

で、お正月ってさ
年々賑やかさの増してく家族と
シンプルになってく家族に分かれるよね

我が家と言えば
辛うじてお雑煮はつくるものの
このお正月は玄関のしめ飾り用意しなかったし
先祖代々受け継がれた漆塗りのお重は箪笥の奥に眠ったまま

新婚ですよって年賀状のつくり笑顔に胸焼けを覚えても
とりあえず近場で初詣なんかは済ませたし
ちょこっとお酒控え気味の下っ腹は心なしかすっきり加減

ねぇ、セックスしようよ♪

面と向かって付き合いはじめた彼氏に言い切れるぐらい
女子力ってやつを育んで

焼いたお餅の数よりも愛した男の数など数えたい



自由詩 初春のひと Copyright 恋月 ぴの 2011-01-03 18:57:22
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